ベーグルさんのぼやき日記

生活に役立つ情報などを独断と偏見で語ります^^

大和の神

古来より大和の国は遂行なる神々に支配されていた。

どんなものよりも強く熱く優しく。

大和は光の国だった。

人々は偉大なる神に敬意を表し

大きな力とともに生きてきた。

 

人間が支配した世界じゃない

世界の一部が人間だった。

 

地震

洪水

活火山の噴火

神々より送られる怒りのメッセージに人々は怯えた。

 

大和にとって神は全てだった。

巨大なる神木も

海も川も山も

人々はそこに神を宿した。

神々が宿る国

それが大和だった。

 

霊性の気高く美しい彼らは

古来の占いやシャーマニズムに従って

国を作った。

建物を建て、田畑を耕し

獣の皮を纏い、果物を刈り取って暮らした。

全ては神の恵みだった。

生きているのではない、生かされている。

その心は親から子へ、子から孫へと伝えられた。

美しい民続たちだった。

 

神の威力して最大の弱点。

 

言葉がないことだ。

神々は怒り、猛々しく叫ぶが

決して言葉を発しなかった。

 

それゆえに大和の民には

神に代わるものを選んだ。

大和の神

その人物は卑弥呼と名付けられた。

まだ若く未成熟な可憐な少女だった。

 

神の声を聞く者

卑弥呼の言葉は神の言葉だった。

卑弥呼には目一杯の馳走や贈り物を与えられた。

神の機嫌を取るため。

益をもたらさんとばかりに

卑弥呼を大いに喜ばそうと与えられ続けた。

彼女は贅沢を知り、崇められ、決して触れてはいけない特権を与えられた。

それは卑弥呼の怒りだ。

彼女は無惨にも過去に自分の体を奪った男を火炙りにかけた。

怒りに任せて田畑を燃やし

文化を破壊し

所業の限りを行った。

卑弥呼にとって人間などありをつぶす様に容易い存在だった。

鏡を覗き霊言を授ける代わりに

あらゆる不快を破壊した。

人々は怯えた。

かつては光の元に輝いた大和が

一人の人間の権限で焼き崩れていく。

宮殿の中に鎮座する卑弥呼

日々シャーマンとしての力をたぎらせた。

 

ある晩、太陽がしずみ暗闇の中に包まれていた丑の刻。

言葉が大きく響いた!

 

太陽が登る前に北へ迎へ

 

飛び起きた卑弥呼は召使いを束ねると彼女は

泡を食ったように動揺しながら

家来にの担ぐ台座に乗り

暗闇の中北へ向かわせた。

 

恐ろしかった。

まさか本当に神の声を聞く日がくるとは・・。

北へ向かい荒れ果てた荒野で朝日を迎た。

卑弥呼は浮かれ始めた。

 

我こそ神の声を聞く者なり!

我こそ神の子なり!

 

歓喜と野望を胸に卑弥呼は家来に鞭を打った。

世界を支配するもの、それが我である。

高揚する気分の中一雫の水滴が落ちたことに彼女は気づいた。

恐ろしいのほどの黒雲と嵐が立ち込める中

洪水が起こりそうなほどの大雨が降り出した。

そして声がした。

 

 

汝神にあらず

荒ぶる暴君なりて所業の報いを与える。

 

神の言葉が卑弥呼の耳に突き刺さった

その刹那轟音とともに巨大な雷が

卑弥呼の家来もろともに叩きつけられた。

 

一瞬の出来事だった

一瞬のうちに神の逆鱗に触れた卑弥呼

家来もろとも蒸発した。

跡形も残らなかった。

 

死者は北へ向かう。

卑弥呼にとっては最初で最後の死の旅だった。

 

どんなに恵まれ驕り浮かれようとも

決して傲慢になってはいけない。

 

こうして大和に再び平和が訪れた。

かつて存在した神の子は一夜にして姿を消した。

永遠に眠る彼女のため民は巨大な墓を築いた。

 

どんなに平和な時代も

驕り、貪り、怒りに身を任せ貪欲な世界を作り上げて仕舞えば

再び神の怒りに触れることになる。

全てを破壊し、滅し、再生する。

 

地球とゆう巨大な神の力によって。