抜け殻
森が生きる
過去の記憶の中に
風が吹きあぐねる
忘れたすべての世界で
迷い駆け抜ける
全てから逃げるため
そしてたどり着く
安寧の城の中
畑で土を耕す人は
何も考えず
ただ耕すことと向かい合う
なんと美しく健気で素直なことだろう
暑い夏の日差しは光となり
大雨は大地を洗う
人々は安堵を求め生きる
本当の安堵とはなんなのか
考えることなく
考えない者のは美しい
考える者は美しい
ただただ肥やしをかき集め
絶望の中で自分を耕す
真夏の日に蒸発した雨の残骸の如く